芥川賞受賞作品 その2

2-1 無明長夜 吉田知子

無明長夜 吉田知子

第63回芥川賞 新潮社 S45.9.15発行
カバー帯 墨署名入り 1冊:12,000円(美本)
※“御本山”の黒い森をみつめて、白い闇の道を歩いた女の20年……。一種底の知れない、暗く混沌とした世界の中で、病める魂の咆哮を聞く芥川賞受賞作。



2-2 ベティーさんの庭 山本道子

ベティーさんの庭 山本道子

第68回芥川賞 新潮社 S48.2.15発行
カバー帯 署名・落款入り 1冊:7,000円(美本)
※洗礼を受けた後ベティというクリスチャンネームをもらって外国に嫁いだ日本人、柚子の物語である。異国に嫁いで20年、日本の戦争花嫁〈ベティさん〉の切々たる望郷の念を描く芥川賞受賞の表題作をはじめ、傑作短編全5編を収録。


2-3 祭りの場 林 京子  

祭りの場 林 京子

第73回芥川賞 講談社 S50.8.6発行
カバー帯(帯ヤケ) 識語署名入り 1冊:8,500円
※1945年8月9日11:02、広島に続き長崎に原子爆弾が落とされた。B29に狙われた長崎の街では、明日もあさっても当たり前に生きるつもりでいた。一般庶民たちが静かに暮らしていた…。※2017.2.19に86歳で死去。



2-4 限りなく透明に近いブルー 村上 龍  

限りなく透明に近いブルー 村上 龍

第75回芥川賞 講談社 1976.7.14発行
カバー帯(背・カバー焼) 署名入り 1冊:6,000円
※福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。群像新人賞、芥川賞受賞。※発行から48年経ているため三方ヤケあり。


2-5 九月の空 高橋三千綱 

九月の空 高橋三千綱

第79回芥川賞 河出書房新社 S53.8.7発行
カバー帯(帯焼け)  識語署名・日付入り 1冊:2,500円 
※剣道に賭けた爽やかな汗性への焦だちと透明な孤独風うたう学園小説。




2-6 愚者の夜 青野聡

愚者の夜 青野聡

第81回芥川賞 文藝春秋社 S54.8.30発行
カバー帯(帯焼け) 署名落款入り 1冊:5,000円
※若い路上の漂泊者・犀太(さいた)とオランダ人・ジニー。滑稽・悲惨・あてどない愛の日々。漂う世代の痛切な声をとらえた秀作。




2-7  父が消えた 尾辻克彦

父が消えた 尾辻克彦

第84回芥川賞 文藝春秋社 1981.3.10発行
カバー帯 識語署名入り 1冊:6,000円
※父の遺骨を納める墓地を見に出かけた「私」の目に映るもの、頭をよぎることどもの間に、父の思い出が滑り込む……。※2014.10.26敗血症のため77歳で死去。




2-8  佐川君からの手紙 唐十郎

佐川君からの手紙 唐十郎

第88回芥川賞 河出書房新社 1983.1.20発行
カバー帯(帯焼け)  銀ペン識語署名入り 
1冊:5,000円
※1981年6月、一人の日本人青年がパリ16区エルランジェ街自室でオランダ人女子学生を射殺し、その肉を食べた。奇怪な出来事の数々に翻弄されつつ、劇的想像力を照しだす極限の愛、カリニバスム。※「幻想的な戯曲の創作とテント公演での独創的な舞台制作」により2012年度朝日賞受賞。



2-9 杢二の世界 笠原淳 

杢二の世界 笠原淳

第90回芥川賞 福武書店 1984.2.15発行
カバー帯 署名落款入り 1冊:6,200円
※根なし草のように飄然と生きる弟の杢二が突然ビルの屋上から墜死した。兄の記憶に残る弟の、社会から疎外された得体のしれない生の危うさを、絶妙な筆致で描いた作品。※15.3.25舌がんにより79歳で死去。



2-10 青桐 木崎さと子 

青桐 木崎さと子

第92回芥川賞 文藝春秋社 S60.3.1発行
カバー帯(帯ヤケ) 署名入り 1冊:4,500円
※乳癌にかかりながら一切の医療を拒む叔母と、それを看取る姪桐の繁る北陸の旧家で滅びゆく肉体と蘇る心が交叉する心象を細やかに描いた作品。




2-11 長男の出家 三浦清宏 

長男の出家 三浦清宏

第98回芥川賞 福武書店 1988年(S63)年発行
カバー帯 署名入り 1冊:6,000円
※両親との縁を断ち、仏門に進む息子を親の目から記した(実)小説。現代の「子捨て物語」と評された。元明治大学理工学部教授。直接署名頂いたもの。





2-12 自動起床装置 辺見 庸

自動起床装置 辺見 庸

第105回芥川賞 文藝春秋 1991.8.25第一刷
カバー帯 墨識語署名・落款入り 
1冊:6,800円(美本)
※「…眠りの世界ではいろんなことが起きる。辛くて、狂おしくて、他愛なくて、突飛で、情けなくて…もう、すべてなんて言葉でおおえないほどすべてのことが起きる」ぼくと聡は、通信社の仮眠室で仮眠をとる人々を、快く目覚めへと導く「起こし屋」のアルバイトをしている。ところがある日「自動起床装置」なるものが導入された…。眠りという前人未到の領域から現代文明の衰弱を衝いた芥川賞受賞作。



2-13 至高聖所(アパトーン) 松村栄子

至高聖所(アパトーン) 松村栄子

第106回芥川賞 福武書店 1992.2.25発行
カバー帯 墨識語署名入り 1冊:5,800円(美本)
※実在する学園都市に入学した主人公の少女が、奇妙なルームメイトと接し、その心の底にある孤独感に触れたり、内面世界とは反対の鉱物の世界へ入り込んでいくという作品。






2-14 石の来歴 奥泉 光

石の来歴 奥泉 光

第110回芥川賞 文藝春秋 H6.3.1発行
カバー帯 識語署名入り 1冊:5,500円(美本)
※「石には宇宙が刻印されている」レイテで戦友から聞かされた言葉によって、岩石に魅せられた男。戦後、彼に訪れる苦難とは!?現在と過去、夢と現が交錯するなかで、妻は狂気にいざなわれ、子は死にもてあそばれる。華麗にしてペーソス溢れる文体で、時と心との織りなす迷宮を描ききる、気鋭の芥川賞受賞作。


2-15 この人の閾 保坂和志 

この人の閾 保坂和志

第113回芥川賞 新潮社 1995.8.10発行
カバー帯 識語署名入り 1冊:4,800円(美本)
※時は静かに流れ、"日常"は今、輝いている…。新しいリアリティの形をとらえ、高い評価を受けた芥川賞受賞作「この人の閾」のほか、「東京画」「夏の終わりの林の中」など三編を収録。





2-16 家族シネマ 柳 美里 

家族シネマ 柳 美里

第116回芥川賞 講談社 1997.1.31発行
カバー帯 識語署名・落款入り 1冊:5,500円(美本)
※失われた家を求め、映画出演を決めた家族を描いた「家族シネマ」、同棲中の部屋を飛び出した登校拒否の過去を持つ女を描いた「真夏」、転校生といじめを題材にした「潮合い」―心に傷を負った人間が強く生きようとする姿を描き、家族が価値あるものかを現代に問う名作。




2-17 ブエノスアイレス午前零時 藤沢周 

ブエノスアイレス午前零時 藤沢周

第119回芥川賞 河出書房新社 1998.08.10初版発行
カバー帯 銀マ識語署名・日付入り 
1冊:6,500円(美本)
※盲目の老嬢と孤独な青年が温泉旅館でタンゴを踊る時、ブエノスアイレスの雪が舞う。希望と抒情とパッションが交錯する希代の名作。あらゆる世代の支持を受けたベストセラー




2ー18 夏の約束 藤野千夜 

夏の約束 藤野千夜

第122回芥川賞 講談社 200.2.1発行
ビニカバー帯 識語署名・日付・落款入り 
1冊:7,500円(美本)
※ゲイのカップルの会社員マルオと編集者ヒカル。ヒカルと幼なじみの売れない小説家菊江。男から女になったトランスセクシャルな美容師たま代…少しハズれた彼らの日常を温かい視線で描き、芥川賞を受賞した作品。

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