稀覯本 その2

2-1 万延元年フットボール 大江健三郎

万延元年フットボール 大江健三郎

S42.9.12講談社 箱帯カバー 署名落款入り
1冊 価格:34,000円(保存状態良好)
※この小説は生まれつき障害のある子どもの養育を放棄した夫婦と、学生運動に挫折し米国への遊学から帰国した弟、その兄弟の故郷である四国の村での事件が物語の中心となっている。本作が発表された当時は60年安保と70年安保の間の時代であり、そういった時代背景と、著者の戦後民主主義的な思想が作品に強く影響を与えている。後にノーベル文学賞を受賞する著者の代表作であり、戦後日本文学を代表する作品のひとつとして上げられることも多い。※2023.3.3老衰のため88歳で死去。


2-2 みずから我が涙をぬぐいたまう日 大江健三郎

みずから我が涙をぬぐいたまう日 大江健三郎

S47.10.12講談社 帯(焼)ビニカバー ペン署名落款入り
1冊:8,500円 
※天皇に殉じて割腹、自死を遂げた作家の死に衝撃を受けた、同じ主題を共有するもう一人の作家が魂の奥底までを支配する〈天皇制〉の枷をうち破って想像力駆使して放つ“狂気を孕む同時代史”の表題作。宇宙船基地よりの逃走男が日本の現人神による救済を夢見る「月の男」。―全く異なる二つの文体により、現代人の危機を深刻、ユーモラスに描く中篇小説二篇。


2-3 芽むしり仔撃ち 大江健三郎

芽むしり仔撃ち 大江健三郎

S45.9.4 講談社 ビニカバー帯 署名落款入り 
1冊:8,100円
※絶望的な“閉ざされた”状況にあって、疎外された少年たちが築き上げる奇妙な連帯感。知的な抒情と劇的な展開に、監禁された状況下の人間存在という戦後的主題を鮮やかに定着させた長編。ノーベル賞を受賞した大江健三郎の処女長編。



2-4 新しい人よ眼ざめよ 大江健三郎  

新しい人よ眼ざめよ 大江健三郎

1983.6.13 講談社 カバー帯 金ペン署名入り 
1冊:8,600円(美本)
※神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の“再生”を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。


2-5 『新しい人』の方へ 大江健三郎 

『新しい人』の方へ 大江健三郎

2003.9.30 朝日新聞社 カバー帯 署名・落款入り 
1冊:9,500円(美本)
※ノーベル賞作家が、子供にも大人にも作れる人生の習慣をアドバイス。本をゆっくり読む方法、ウソをつかない力の鍛え方、意地悪な気持ちと向き合うことなど、16のメッセージと15点のカラーイラストが美しくひびきあう感動のエッセイ。



2-6 『話して考える』と『書いて考える』 大江健三郎

『話して考える』と『書いて考える』 大江健三郎

2004.10.10 集英社 カバー帯 署名落款・日付入り 
1冊:7,500円(美本)
※人が苦しみから恢復するとはどういうことなのか。本を読むということの真の意味は。そのことで生まれる「想像力の勢い」が私たちを導く先にあるものは何なのか。現代の世界について、自らの家族について、この国の憲法について、そして未来と希望について―。ノーベル賞作家が若い人々へ向けて真摯に語った励ましに満ちた言葉たち。文庫化に際して、書き下ろしエッセイを収録した傑作講演録。



2-7  宙返り(上下) 大江健三郎

宙返り(上下) 大江健三郎

1999.6.15 講談社 署名落款入り(上巻のみ) 
1冊:10,000円(上下共) (美本)
※いったん「神」と信者たちをコケにした、棄教者のリーダーが戻ってきた。脇腹に「聖痕」をきざんで。待ち受ける急進派は、「悔い改め」を社会にもとめる構想をたもち、祈り続けてきた女たちは、集団での昇天を意図する。教会は、再建されうるのか?


2-8  「雨の木」を聴く女たち 大江健三郎

「雨の木」を聴く女たち 大江健三郎

S57.7.5発行 新潮社 カバー帯 ペン献呈署名入り 
1冊:9,500円(保存良好)
※荒涼たる世界と人間の魂に水滴をそそぐ「雨の木」のイメージに重ねて、危機にある男女の生き死にを描いた著者会心の連作小説集。





2-9 取り替え子 大江健三郎 

取り替え子 大江健三郎

2000.12.5第一刷 講談社 
カバー帯 ペン署名・落款・日付入り 
1冊:9,200円(美本)
※国際的な作家古義人の義兄で映画監督の吾良が自殺した。動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇。



2-10 大江健三郎往復書簡 暴力に逆らって書く 大江健三郎 

大江健三郎往復書簡 暴力に逆らって書く 大江健三郎

2003.5.30第一刷 朝日新聞社 
カバー帯 ペン献呈署名入り 
1冊:8,100円(美本)
※引き続く戦争やテロ、差別、子どもの暴力、深刻な危機にある地球環境ーー解決されそうにない困難と狂気がおおう時代に、いかに想像力を恢復することができるのか。ギュンター・グラス(独)、マリオ・バルガス=リョサ(ペルー)、スーザン・ソンタグ(米)、鄭義(中国)、アマルティア・セン(インド)、ノーム・チョムスキー(米)、エドワード・サイード(米)ら世界の知識人11人と交わした、深い思索の軌跡。


2-11 二百年の子供 大江健三郎

 

二百年の子供 大江健三郎

2003.11.25初版 中央公論新社 
カバー帯 ペン署名・落款入り 
1冊:5,500円(美本)
※タイムマシンにのりこんだ三人の子供たちが出会う、悲しみと勇気、そして友情。ノーベル賞作家の、唯一のファンタジー・ノベル。舟越桂による挿画完全収載。

 


2-12 さようなら、 私の本よ! 大江健三郎 

さようなら、 私の本よ! 大江健三郎

2005.9.29第一刷 講談社 
カバー帯  ペン署名・落款・日付入り 
1冊:9,100円(美本)
※国際的な作家である古義人と建築家の繁。この「おかしな二人組」は幼い頃から因縁があり、時を経て病院のベッドで再会を果たす。老人の愚行としてテロを画策する繁に巻き込まれていく古義人は、組織の青年達と精神の触れあいを深めながらも、「小さな老人」の家に軟禁されるのであった。二人の行き着く先には。



2-13 「伝える言葉」プラス 大江健三郎

「伝える言葉」プラス 大江健三郎

2006.11.30第一刷 朝日新聞社 
カバー帯 ペン署名・落款・日付入り 
1冊:7,200円(美本)
※人生の困難な折々に出会った24の奥深い言葉について語る、感銘と励ましに満ちたエッセイ。世界の現況について、子供時代の記憶について、自らの家族について、未来への未練と“信じる”ことについて―。朝日新聞連載「伝える言葉」に他3篇を収録。




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