署名本 その1

1-1 小川国夫「回想の島尾俊雄」

小川国夫「回想の島尾俊雄」

S62.11.12小沢書店 カバー帯・元パラ 署名入り 
美本 1冊 価格:2,800円
※1965年6月のある日、島尾は突然、藤枝に住む青年小川の前にあらわれた。ここから二つの魂の微温をたたえた交流がはじまった(帯文より)。2002年2月、先生から直接署名を頂いたもの。2008.4.8 80歳で死去。




1-2 金井美恵子「添い寝の悪夢 午後の夢」

金井美恵子「添い寝の悪夢 午後の夢」

S51.8.7中央公論社 カバー帯(ビニカバ痛み) ペン署名入り(中表紙部) 
1冊 価格:2,300円
※群馬県出身。67年「愛の生活」でデビュー。79年「プラトン的恋愛」で泉鏡花賞、88年「タマや」で女流文学賞。小説、エッセイ、詩のほか映画評論も数多く発表。直接、署名頂いたもの。




1-3 野坂昭如「真夜中のマリア」  

野坂昭如「真夜中のマリア」

1969.4.30新潮社 ビニカバー帯(部分的に多少のシミ) 署名入り(中表紙部) 
1冊 価格:3,100円
※十七歳の青年カンとその仲間たちの奇想天外な性の体験と意識を奔放に描き、セックスについて古い通念を粉砕する野坂昭如の快心の長編小説(帯文より)。まだ先生がお元気な頃、直接、署名頂いたもの。※2015.12.9誤嚥性肺炎のため85歳で死去。




1-4 篠田節子「弥勒」 

篠田節子「弥勒」

1998.9.20講談社 カバー帯 識語署名・落款入り
美本 1冊 価格:3,000円
※新聞社員永岡は政変で国交を断絶したヒマラヤの小国・パスキムに単身で潜入を試みるが、そこで目にしたものは・・・。そして永岡も革命軍に捕らわれ、想像を絶する生活が始まった。救いとは何かを問う渾身の超大作。
※1990年中編ホラー小説「絹の変容」(小説すばる新人賞)がデビュー作。以後、「死神」「ハルモニア」「カノン」「夏の災厄」他発表する作品はどれも独自の境地を開拓し、読者を満足させている。




1-5 古井由吉「円陣を組む女たち」

古井由吉「円陣を組む女たち」

S45.6.20中央公論 ビニカバー帯 署名入り(三方小ヤケ) 
1冊 価格:4,200円
※人間の心理の不可思議を探求することに彫心した古井文学代表作のひとつ。
※立大助教授の傍ら翻訳、そして68年からは小説を発表。S44(69)年下期第62回芥川賞候補作として永井龍男、中村光夫委員らから賞賛された本書および「男たちの円居」(70年)が高い評価を受け、幻想的作風を確立。S60(85)年第94回から05年まで芥川賞選考委員を務める。




1-6  丸山健二「赤い眼」

丸山健二「赤い眼」

1974年文藝春秋 カバー帯 署名・落款入り
1冊 価格:3,900円
※母と妹の暮らしに疲れた女が突然家も職場も捨て、海辺の町で見知らぬ少年と奇妙な同棲生活始めたが・・・。娘の生を現実的観察と把握によって描いた野心的長編。(帯評:大江健三郎)
※1966(s41)年死刑囚を受け持つ看守たちの日常を描いた「夏の流れ」で文学界新人賞および第56回芥川賞を受賞後、文壇とは一線を画し、長野県安曇野に住み、独自の小説世界を切り拓いている。




1-7  池宮彰一郎「島津奔る」(上下)

池宮彰一郎「島津奔る」(上下)

池宮彰一郎「島津奔る」(上下)

1998.12.25年新潮社 カバー帯 署名・落款入り(上巻:識語署名、下巻:署名)
美本 2冊揃:5,800円(上下共)
※慶長の役の撤退戦から描かれる。主人公となるのは島津家の当主・島津義弘。流動的な政治情勢の中で、徳川家康と敵対したにもかかわらず領土を失わないように苦心した姿を描いている。義弘が敵対した徳川家康は小心者として描かれている。壮絶な関ヶ原合戦史。
※本書「島津奔る」で柴田練三郎賞を受賞したが、司馬作品との類似が指摘され、同作と「遁げる家康」が絶版・回収となる。2007.5.6肺がんのため83歳で死去。




1-8 宮城谷昌光「太公望」(上中下) 

宮城谷昌光「太公望」(上中下)

宮城谷昌光「太公望」(上中下)

宮城谷昌光「太公望」(上中下)

H10年 文藝春秋 
カバー帯 署名入り
美本 3冊揃:7,000円(上中下共)
※太公望は古代の英雄にして名軍帥。太公望が登場する「封神演義」は世界最古のSF小説とも言われる。その時代を創造するには、今より二千年も遡らなければならず、商、周、召、鬼方といった国々の政治的な冒険物語と呼ぶこともでき、歴史ものを超えたおもしろさを演出している。




1-9 庄野潤三「おもちゃ屋」 

庄野潤三「おもちゃ屋」

S49.3.30発行 河出書房新社 
箱 帯 元パラ ペン献呈署名入り 1冊:4,700円
※長女の夏子さんのところに次男が生まれたころの短編集。「静物」「夕べの雪」など家族小説を息長く書き続けた「第三の新人」の一人として活躍した。2009.9.21老衰のため88才で死去。





1-10 安岡章太郎「もぐらの言葉」 

安岡章太郎「もぐらの言葉」

S44.2.28講談社 カバー帯(背小焼) 献呈・署名入り
1冊:2,100円
※1920(大正9)年、高知市生れ。慶大在学中に入営、結核を患い、戦後もカリエスを病みながら小説を書き始め、1953(昭和28)年「陰気な愉しみ」「悪い仲間」で芥川賞受賞。弱者の視点から卑近な日常に潜む虚妄を描き、吉行淳之介らと共に「第三の新人」と目された。1959年「海辺の光景」で芸術選奨と野間文芸賞、1981年「流離譚」で日本文学大賞、1991(平成3)年「伯父の墓地」で川端康成賞を受けた。※13.1.26老衰のため92歳で死去。




1-11 柴田翔「犬は空を飛ぶか」

柴田翔「犬は空を飛ぶか」

1976.8.20筑摩書房 ビニカバー帯 識語署名・献呈・署名入り
1冊:2,700円
※東大文学部独文科卒、ドイツ留学を経て91年東大文学部長に就任。「されどわれらが日々」(1964年第51回芥川賞受賞)他著書多数。いずれも軽快で明るく平易な表現で現代的テーマをわかり易く描き分ける。著者はめったに署名をしないため希少。





1-12 花村萬月「狼の領分」

花村萬月「狼の領分」

1994.12.31徳間書店 カバー帯 墨署名・落款入り
美本 1冊:1,800円
※施設で過ごし高校退学後、全国を放蕩。その経験は30歳過ぎで作家デビューする足掛かりとなる。本書は、組からかっさらった二億円を抱え札幌に逃げた“なで肩の狐”こと木常が愚連隊の頭領に手を貸す、花村ワールドの原風景ともいうべき作品。




1-13 楡周平「ガリバーパニック」

楡周平「ガリバーパニック」

1998.7.21講談社 カバー帯 署名落款入り
美本 1冊:1,300円
※慶大院卒後米系マーケティングなどを担当中、96年麻薬密売をテーマとした「Cの福音」(宝島社)がベストセラー。以後、本書をはじめミステリー界に新たに沃野を切り拓く、壮大なスケールの作品を次々と意欲的に発表。




1-14 和田芳恵「限定版 暗い流れ」 

和田芳恵「限定版 暗い流れ」

S52.8.30河出書房新社 限定220部 夫婦函・外箱付 毛筆署名入り(背皮装) 
 1冊:10,000円(保存状態良好)  
※ハレー彗星が地球に大接近し、湯河原で幸徳秋水が逮捕された明治43(1910)年、著者5歳から書き起こし、関東大震災の翌年、田舎の代用教員を辞し東京に出て地元の有力者の書生となった大正13年20歳を目前にする頃までを、北海道の原野を背景に描く自伝小説。抗し難い性の欲望に衝き動かされた青春の日々を独得の語り口で淡々と綴る傑作著篇。日本文学大賞受賞。※1977年没




1-15 富士正晴「富士正晴詩集」 

富士正晴「富士正晴詩集」

S50.5.5五月書房 限定1000部 ペン署名入り
1冊:5,200円(保存状態良好)  
※(1913~1987)徳島県三好郡生まれ。三高分科中退。在学中に野間宏らと『三人』を創刊。退学後、大阪府庁や出版社などに勤務し昭和19年中国へ出征。21年復員。22年に島尾敏雄らと『VIKING』を創刊、のち文筆生活に入る。43年『桂春団治』で毎日出版文化賞受賞。晩年は竹林に囲まれた自宅から殆ど外出せず、“竹林の仙人”と呼ばれた。※1987.7.15没

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